世界中の人々に
快適な生活空間を提供する
モーター製造技術

株式会社富士通ゼネラル
青森事業所　所長　河合 裕司　さん

高品質な製品の安定供給と
迅速かつ的確なアフターフォローが強み

　当社は空調機、情報通信システム、電子デバイスと３つの事業をメインとし、製品及び部品の開発、製造、販売を行っております。なかでも全体売上の約９割を占めているのが空調機事業で、主力商品である「nocria（ノクリア）」には世界で初めて自動フィルター掃除機構を開発・搭載しました。極寒での暖かさにこだわった「ゴク暖nocria」などは、青森のご家庭にもおすすめしたい商品です。
　青森事業所では、エアコン室内機や室外機のファンを回すためのモーターを生産しています。エアコンのほか、レンジフードや換気扇などにも転用し、幅広い製品に活用されています。
　当社のエアコン事業は1960年にウインド型クーラーから始まりました。そこから海外への製品輸出、家庭用の小型エアコンから業務用と、ニーズに応える商品開発を進めてまいりました。川崎にある本社で営業、開発、設計をし、青森事業所ではモーター部品の製造、組立を行っています。国内に拠点があることで細やかなアフターフォローが可能となり、大手メーカー様ともお取引をさせていただいております。
　モーターは素材加工から製品まで一貫して製造しておりますので、試作評価から量産まで迅速に対応できるのも強みであります。製造技術の向上にもつながっていると自負しております。

多様なニーズに対応したモーターを開発し、
世界各国に快適な生活空間を

　青森事業所は1967年に野辺地町に開設し、当時は電気コタツや洗濯機のモーターを製造しておりました。その後1978年に七戸町へと工場を移し、モーター生産事業が本格的に始動いたしました。
　国内向け商品の製造に加え、1971年からクウェート向けに輸出を開始したのですが、今でも高い評価をいただいております。その理由のひとつとして、熱帯・砂漠地方の気候に強いモーターを使用していることです。砂塵が多い地域ですのでエアコンのファンに砂が入り込んだり、高い外気温によってベアリングが焼き付くという問題があり、エアコン自体長持ちしませんでした。そこで、そのような環境下にも耐えられるよう、微細な砂にも対応できる高い防塵性と、洗浄に耐え得る防水性を兼ね備え、放熱効果も高めたモーターを開発しました。これにより、現地でも安定した性能を発揮し、高品質なエアコンとしてブランドを確立いたしました。現在は、高効率化や低騒音化を図ったモーターの開発を行い、当社内製モーターはヨーロッパやアメリカなど世界各国で販売されている空調機器に搭載されております。これもひとえに長年培ったモーター製造技術の賜物といえます。

モノづくりに適した青森の人材

　モノづくりという点で、青森の人材は最適だと思います。真面目でねばり強く素直さもあります。また、定着率も高いので、企業としては人材確保や雇用に係わるコストの低減もメリットなのではないでしょうか。
　交通のインフラとしては、当社の場合ですと、東北新幹線七戸十和田駅のすぐ裏手に事業所がございますので、他県からのアクセスもしやすい環境にあります。また、鉄道やトラック輸送で仙台や首都圏へと製品を届けているのですが、令和４年11月末に上北自動車道が全線開通し、高速道路へのアクセスが容易になりました。今後さらに利便性が向上すると思います。
　私個人としましてはドライブが好きなので、休日は車で八甲田や奥入瀬渓流などに出かけ、自然を楽しんでいます。四季折々の景色が美しいので、リフレッシュできます。渋滞が少ないのも嬉しいですね。魚介類や野菜など、食べ物が美味しいのも魅力です。野辺地で食べたホタテフライの味は今でも忘れられません。
　自然に囲まれてゆったり過ごせる環境だからこそ、実直な人材が生まれているのかもしれません。今後もひたむきに仕事に取り組み、技術開発の向上に邁進していきたいと思います。

掲載年月：R5.1